着物を着ると一番汚れが付きやすいのは、襟と袖口になります。
普通に着ていても肌が触れ合い、少なからず皮脂汚れが付くからです。
その襟の汚れが付いたとき、どうしたらよいでしょうか。
そして、極力汚れが襟につかないようにするためにできることをお話ししたいと思います。
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着物の襟の汚れ

着物の襟の汚れというのは、襟にファンデーションや皮脂汚れが肌につくことによって、襟の中心部分に筋状にまっすぐ付いてしまう場合が多いです。
着物の襟の汚れは、慣れてない方でしたら一度来ただけでついてしまいます。
着慣れてない方でも2~3回ほどきましたら少なからずついてしまいます。
明らかについているのが分かる場合もあれば、お着物の色で見えにくいこともあります。
着物は、基本見えないところでしたら無理にお手入れしなくても大丈夫なのですが、襟は必ず見える場所ですよね。。。
今見えなくても少なからず汚れている襟汚れが酸化して色素沈着を起こし、黄変したりすることがあります。
酸化すると、『テカリ』や『変色』などの原因になります。
黄変して慌ててお手入れすると、頑固なシミになって思わぬ出費になったり落ちきれないこともございます。
襟汚れは綺麗にしておくことをお勧めいたします。
着物の襟の汚れの見つけ方
着物の襟汚れは、光にあてて着物を動かしていろいろな方向から見てみると見つけやすいです。
又、薄い色の御着物を着て襟の汚れが目立つようでしたら、色の濃い御着物でもついていると思ってください。
薄い御着物でも濃い御着物でも、来ておられる方が一緒でしたら、動きは一緒なので確実についていると思っていただくとよいと思います。
着物の襟汚れの応急処置でしてはいけないこと!
着物が汚れたらすぐに処置をする事で落ち方が変わるといわれています。
着物の襟が汚れた場合、すぐにしてはいけないこと、
それは、濡らしたタオルやお絞りで拭くことです。
石鹸水、ウエットティッシュ、除菌ティッシュなど、濡れているものはすべてダメになります。
襟につく汚れは多くの場合は、油溶性の汚れです。
油溶性の汚れは落ちることはなく、着物に水分を入れるとシミになるだけになります。
油溶性というと難しいですが、水性のマジックと油性のマジックを思っていただけたら、想像はつくかと思います。
油性マジックをいくら水で洗っても落ちないですよね。
着物の襟汚れの応急処置
では、どうしたらいいか。
基本、その部分をできるだけ触らずそのままにして帰宅して、すぐお手入れに出されるのがベストですが、
リキッドファンデーションなどが垂れた!油分を多く含むお料理が飛んだ!など汚れがひどい場合、その汚れだけをやさしく摘み取ることです。
その場合は、着物も摘ままないようにご注意下さい。
着物の襟の汚れの取り方・綺麗にする方法
着物のお手入れは、プロにお任せするほうが安心です。
ただ、費用もかかりますし、普段着であったり、ちょっとした汚れならご自分でされる方もいらっしゃいます。
ただ、ご自分ですると経験と汚れの深さの判断が難しいので、自己責任のお手入れになります。
綺麗にしたいお着物の状態とご自分の技術を考えてどうされるかを決めていただけたらと思います。
自宅で着物の襟の汚れ落とし
ご自分で汚れ落としをされる場合は、着物についている汚れが水に溶ける汚れなのか、油で溶ける汚れなのかを判断しなくてはいけません。
着物の襟の部分につく汚れは大抵、皮脂やファンデーションなどの汚れが多いと思いますので、油で落ちる油溶性の汚れになります。
その場合は、ベンジンやリグロインなどで落とすことが多いです。
ベンジンを使う場合の注意点は、
- ケチらずたっぷり使うこと!
- その箇所だけでなく、襟全体を綺麗にするつもりで
- 蒸発(揮発)しやすい薬品ですので、換気をして火の元にご注意下さい。
作業に不安がある場合は、職人にお任せされるほうがいいかと思います。
失敗しますと、輪シミができたり、色が抜けたり、生地にダメージを与えることになります。
ベンジンの使用方法、襟汚れの落とし方はこちらから。
着物葵など悉皆屋の職人にご依頼いただく場合
着物葵など悉皆屋にご依頼いただく場合、着物の襟の汚れでしたら、『しみ抜き』でご依頼ください。
着物全体を綺麗にしたいとお考えの場合、京洗い(丸洗い)になります。
京洗いはドライクリーニングになりますので、油溶性の汚れにも反応します。
襟の汚れがひどくなければ京洗いをされるとしみ抜き不要になる場合があります。
ただ、襟についた汚れが皮脂汚れやファンデーションなどの汚れだけなら油溶性の汚れのお手入れで済みますが、汗などがついてしまっていると、水溶性のお手入れになりますので、京洗いでは落ちません。
その場合は、水溶性の汚れでしみ抜きもしなくてはいけませんので、
京洗い(丸洗い)のご予定がなければ。シミ抜きでご依頼ください。
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着物の襟を汚さない方法

襟は汚れるものですが、少しの工夫で少しでもつく量や頻度が変わります。
是非出来ることからしてみてください。
着付けをするときに襟を詰めすぎない
着付けをするとき、着物に半襟がめり込んでしまっている場合は、襟が汚れやすくなってしまいます。
着物と半襟の間の幅は、1.5cm~2.0cmになるように合わせるのが理想とされています。
しっかり出しておきましょう。
化粧は着物を着る前に。首から上だけ化粧しましょう。
着物は上からかぶることがありませんので、化粧は着物を着る前にしましょう。
着てから化粧をすると、ファンデーションなどのパウダーが落ちてシミの原因になります。
またできれば顔だけ化粧をすると、襟につきにくくなります。
首と顔の間の境目が気になるところですが、ほどほどに調整されることをお勧めします。
簡単!横を向くときは、顔だけでなく身体ごと横を向く
顔だけで動くと、一緒に首が動き、首についた汚れが襟についてしまうことがあります。
是非人とお話しするときなど身体ごと向けてお話しください。
着物の襟の汚れ まとめ
- 着物の襟汚れはどうしてもついてしまう
- 着用数回かでお手入れしましょう
- 襟汚れは、自宅で手入れする場合ベンジンが有効
- 職人に依頼する場合は『しみ抜き』で依頼
- 京洗い(丸洗い)の予定があればしてからしみ抜きするか判断
- つかないようにちょっと工夫をしてみましょう
着物の事なら何なりとご相談ください。
着物葵※着物の京洗いなどのお手入れ、寸法直しなどのお直しはお任せください。
当店は、京都で、着物のクリーニングを中心にお着物のお直し、しみ抜き、仕立て直し、洗い張り等多種多様なあらゆる着物の加工をさせて頂いております。
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何か気になること、取り上げてほしいことなどございましたら、お問い合わせいただけたらと思います。

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京都室町で50年以上の職人たちに、お客様のお着物の状態を見て専門とする職人に依頼いたします。
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